赤い腕章-昭和の国鉄車掌物語-

檀上完爾 著
「日本図書館協会選定図書」 
2013年5月刊行

定価1,650円(税込)
四六判 ソフトカバー 240ページ

〈本書の内容〉
 本書は、戦後から高度経済成長に至る昭和30年代~50年代初頭の時期に、当時の国鉄の車掌としてさまざまな列車に乗務する人々の姿を著わした作品です。著者は当時、車掌として実際に乗務し、東京鉄道管理局の広報課を経て作家活動に入り、いわば国鉄の現場を知り尽くしたうえで、鉄道を描く数少ない紀行作家です。
 本書においては、現在の車掌業務には見られなくなってしまった人間味豊かな接客の様子や、新幹線が登場する前の古き良き国鉄の内情が、著者ならではの人情味あふれるタッチで描写されています。現在のように、車内での検札が電子端末化されていない鉄道現場の時代考証を忠実に再現している内容は、貴重な歴史書でもあります。懐古的に読むだけでなく、世界最先端を行くわが国の鉄道産業に携わる方たちや鉄道に興味がある方々にとっても、手にとっていただきたい類書なき一冊といえます。

[著者略歴]
 作家。昭和4(1929)年、東京都三鷹市生まれ。昭和20年から46年まで旧国鉄に勤務し、盛岡・東京車掌区で車掌として乗務する。35年から、国鉄東京鉄道管理局広報課勤務。46年3月に退職し、執筆活動に入る。『赤い腕章』(鉄道図書刊行会)『新幹線ものがたり』(実業之日本社)『乗り物に生きる』(現代旅行研究所)『山手〝感情線〟』(交通新聞社)『駅長の帽子』(心交社)『東海道すれちがい夫婦』(クラッセ)など著書多数。